いまメディアでは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)に続いて登場したMR(複合現実)が話題になっています。
この記事ではMR(Mixed Reality=複合現実)というコンテンツについて紹介していこうと思います。
MR(複合現実)ってなに?
VR(仮想現実)はデジタルデータで作り出された世界をあたかも「現実世界」のようにみせる技術でした。
それに対してAR(拡張現実)は、現実の世界の一部にデジタルデータで作り出された「仮想空間」をはめ込む技術でした。
今回取り上げるMR(複合現実)は、AR(拡張現実)によってはめ込まれた「仮想空間」に対し、ユーザーが現実世界のような働きかけをすることで影響が出るような世界を構築する技術のことです。
まずはMRの特徴や導入例を簡単にみていきましょう。
現実空間のなかで「仮想空間」を操作できる
VR(仮想現実)では自分がいる空間も、そこに作り出されたものも、あたかも「現実」のような「仮想空間」でした。
仮想空間でのユーザーのアクションが、そのままそこに反映されるようになっていて、SONYのプレステーション4に対応しているPSVR(PlayStation VR)などのゲームが代表的なコンテンツです。
AR(拡張現実)は「ポケモンGO」で使われている技術で、現実の世界にデジタルの「仮想空間」を重ねて表示するもので、ユーザーは外部からデバイスを通してアクションを行っていました。
スマホ市場には「スノーSNOW」などのAR(拡張現実)技術を応用したカメラアプリが数多く存在しています。
MR(複合現実)はAR(拡張現実)のように現実空間に表示された「仮想空間」に対し、デバイスなしのユーザーアクションを行えるものです。
つまり現実の世界に表示されたデジタルのリンゴを、あたかも現実世界に実際に存在するように扱う(手に取る)ことができるわけです。
MR技術を使ったガジェット
実際にMR技術を使ったガジェットとしてMicrosoft HoloLens(マイクロソフト ホロレンズ )が一般販売されています。
[amazon_link asins=’B00SPT95LI’ template=’Card’ store=’ga-monster-22′ marketplace=’JP’ link_id=’684775f6-bae9-11e8-bff0-97b7bf8ec80b’]マイクロソフト ホロレンズのスペックはVR機器同様、メガネのように装着して使用しますが、価格は500,000円程度と非常に高額のため、一般個人が試しに購入するということはレアケースでしょう。
パソコン上で行う操作のほとんどに対応していますが、いまのところMR対応コンテンツが非常に少なく、また基本的に日本語対応していないため今後の技術開発とコンテンツの充実、なによりコストダウンを待つことになりそうです。
MRの導入例
医療現場や建築現場、あるいは航空機の組み立て工程などのシミュレーション用として実際に導入されています。
また、家具の配置などの「実際の部屋に仮想の家具をはめ込んでみる」といった、いかにもMR向きのコンテンツがいくつかあります。
しかし一般向けのコンテンツはまだまだ少ないため、実際に体験できる場所は非常に限られているのが現状でした。
これらの利用方法はVR(仮想現実)でも行われていましたが、MRではよりリアリティーがあり、シミュレーションとしての精度が高まることが期待されています。
まとめ
SF映画などでお馴染みの技術であるMRが、いまや現実に登場することになったわけですね。
飲食店に入ってメニューを広げれば、そこには食べられそうなステーキがリアルに「表示」されるかもしれませんし、人気アイドルのコンサートにいけば、ステージの上にいるはずのアーティストが目の前で歌ってくれるかもしれません。
ユーザーはお肉の焼き加減を「観察」したり、アイドルの横に立って一緒に歌ったりすることだってできるわけです。
多くの企業はVR同様、MRにも注目していることはまちがいないでしょう。
そして今後さらなるコンテンツの登場があれば、MR市場は一気に拡大していくかもしれませんね。